東京大学などの研究グループは、統合失調症、うつ病、双極性障害に関連する 脳内の大規模ネットワーク異常 を明らかにしたと発表しています。研究では、安静時機能的MRIという脳画像データを用いて、複数の精神疾患に共通する脳内ネットワークの結合異常と、それぞれの疾患に特有の異常を調べています。
この研究は、双極性障害を「本人の性格」や「気持ちの問題」として片づけるのではなく、脳の情報処理やネットワークの働きの異常として理解する重要性を示しています。
出典:東京大学|統合失調症、うつ病、双極性障害に関連した脳内ネットワーク異常を発見
症状は脳内ネットワークの変化と関係している
発表では、統合失調症、うつ病、双極性障害に共通する脳内ネットワーク間の異常だけでなく、それぞれの疾患に特有の異常も確認され、それらが精神症状と関連していたとされています。
ここが非常に重要です。
双極性障害の躁状態や混合状態では、怒りっぽさ、衝動性、過活動、判断力の低下、睡眠の減少などが起こることがあります。その結果として、普段なら言わないような暴言、強い攻撃的態度、家族を傷つける言動が出ることがあります。
しかし、こうした言動をすべて「本人の本性」「性格が悪いから」と決めつけてしまうと、病気の本質を見失います。東京大学の研究が示すように、精神症状の背景には、脳内ネットワークの機能異常が関わっている可能性があります。
暴言や暴力を肯定するのではなく、症状として理解する
もちろん、暴言や暴力で家族が傷つくことを軽く見るべきではありません。危険がある場合には、安全確保が最優先です。
しかし、重要なのはその次です。
暴言や暴力的な行動を、ただ「性格」「悪意」「人格」として憎み続けるのではなく、病状悪化のサインとして見て、治療につなげる視点が必要です。
双極性障害は、脳内ネットワーク、感情調整、意思決定、衝動制御などに関わる病気として研究が進んでいます。だからこそ、家族や周囲が「これは本人そのものではなく、病気によって起きている症状かもしれない」と理解することが、患者本人を孤立させない第一歩になります。
この研究から伝えたいこと
双極性障害を含む精神疾患では、脳内の大規模ネットワークの結合異常が精神症状と関係している可能性が示されています。
この事実は、私たちのジャーナルのテーマと深くつながります。
暴言や暴力は、本人の性格だけで説明できるものではありません。
それは、双極性障害という病気の症状として現れている可能性があります。
「性格が悪い人」として切り捨てるのではなく、
「治療が必要な状態にある人」として理解すること。
その理解が、離婚、憎しみ、拒絶、差別を減らしていくための大切な一歩になります。
出典:
東京大学|統合失調症、うつ病、双極性障害に関連した脳内ネットワーク異常を発見
論文:Ishida et al., Schizophrenia Bulletin, 2023, DOI: 10.1093/schbul/sbad022
【最後に】
双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

