産後精神病と双極スペクトラム:急な興奮・易怒性を「症状」として捉える2025年国際論文
論文名(英語):Postpartum Psychosis and Bipolar Disorder: Review of Neurobiology and Expert Consensus Statement on Classification
論文名(日本語):産後精神病と双極性障害:神経生物学レビューと分類に関する専門家合意声明
大学名・研究機関名(英語):Icahn School of Medicine at Mount Sinai; Erasmus University Medical Center; UMass Chan Medical School; National Institute of Mental Health and Neuro Sciences
大学名・研究機関名(日本語):マウントサイナイ医科大学アイカーン医学校、エラスムス大学医療センター、マサチューセッツ大学チャン医学校、国立精神衛生神経科学研究所
論文の年(英語):2025
論文の年(日本語):2025年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41135771/
この国際論文は、産後精神病を、双極性障害と重なる生物学的背景をもつ重い精神疾患として整理しています。産後精神病では、躁状態、混合状態、抑うつ、精神病性の特徴に加え、認知の障害、易怒性、興奮がよくみられるとされています。
英語原文: “irritability, and agitation are also common”
日本語訳: 易怒性と興奮もよくみられる
家族にとって、産後に急に怒りっぽくなる、興奮する、言葉が激しくなる、現実感が不安定になる姿は、「本当の性格が出た」と見えてしまうことがあります。しかし論文は、産後という時期そのものが、内分泌、免疫、神経解剖、生理的変化を伴うため、生物学的基盤を強く示唆すると述べています。これは、「暴言」や「暴力」に近い危機的な行動を、性格ではなく「症状」として見つける視点です。
英語原文: “strongly suggests a biological basis”
日本語訳: 生物学的基盤を強く示唆する
特に双極性障害のある女性は、産後の精神状態の急変に注意が必要です。家族が早く気づき、睡眠を守り、医療につなげることが重要です。怒りや興奮が出たときに、責める言葉を重ねると、本人も家族も追い詰められます。必要なのは、病気の「症状」として見て、早期に専門医へ相談することです。
英語原文: “overlapping with bipolar disorder”
日本語訳: 双極性障害と重なる
この論文は、急な興奮や易怒性を、家庭内の道徳問題だけで終わらせてはいけないことを教えています。「暴言」や「暴力」が見えた場面でも、安全確保の後に、産後や双極スペクトラムの「症状」として医療へつなげることが、本人と家族を守る道になります。
【最後に】
双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

