錯乱躁状態と急性の攻撃的行動:脳画像異常まで示した2025年トルコ症例報告
論文名(英語):Delirious Mania with Mild Encephalitis and a Reversible Splenial Lesion Successfully Treated with Electroconvulsive Therapy
論文名(日本語):軽症脳炎と可逆性脳梁膨大部病変を伴う錯乱躁状態が電気けいれん療法で改善した症例報告
大学名・研究機関名(英語):Ege University School of Medicine
大学名・研究機関名(日本語):エーゲ大学医学部
論文の年(英語):2025
論文の年(日本語):2025年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42036751/
この症例報告は、双極性障害のある37歳男性が、急性の攻撃的行動、妄想、まとまりのない発話、自律神経の不安定さを示し、脳MRIで可逆性脳梁膨大部病変が確認されたケースを扱っています。論文では、錯乱躁状態を、躁「症状」、興奮、せん妄、緊張病を伴う重い神経精神医学的状態として説明しています。
英語原文: “acute onset of manic symptoms”
日本語訳: 躁「症状」の急性発症
家庭でこのような急変が起きると、家族は「急に別人になった」「恐ろしい性格が出た」と感じます。けれども、この症例は、攻撃的行動が急性の病的変化の中で現れ、脳画像上の異常や治療反応とも関係していたことを示しています。「暴言」や「暴力」に見える行動が、脳と精神状態の急変として現れることがあるのです。
英語原文: “acute-onset aggressive behavior”
日本語訳: 急性発症の攻撃的行動
治療では通常の薬物治療だけで十分に改善せず、電気けいれん療法が行われ、大きな臨床的改善が報告されています。これは、激しい言動を人格の問題として閉じ込めるのではなく、医療が介入すべき「症状」として扱う重要性を示します。家族だけで説得しようとしても、錯乱や躁状態が強いときには限界があります。
英語原文: “significant clinical improvement”
日本語訳: 大きな臨床的改善
「暴言」や「暴力」が急に出たときは、まず安全確保です。その後、睡眠、発症時期、発話の変化、妄想、興奮、服薬状況を医療者に伝える必要があります。この症例は、急性の攻撃的行動を「性格」ではなく、評価と治療が必要な「症状」として見ることの大切さを強く示しています。
【最後に】
双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

