警察記録のテキストマイニングから見る家庭内の「暴力」と精神疾患:2022年豪英共同論文
論文名(英語):Surveillance of Domestic Violence Using Text Mining Outputs From Australian Police Records
論文名(日本語):オーストラリア警察記録のテキストマイニングを用いた家庭内の「暴力」監視研究
大学名・研究機関名(英語):University of New South Wales; University of Technology Sydney; University of Liverpool; University of Manchester
大学名・研究機関名(日本語):ニューサウスウェールズ大学、シドニー工科大学、リバプール大学、マンチェスター大学
論文の年(英語):2022
論文の年(日本語):2022年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35222105/
この豪英共同論文は、オーストラリアの警察が対応した家庭内の「暴力」記録492,393件を、テキストマイニングで分析した研究です。被害者のけが、虐待の種類、精神疾患の記載、薬物やアルコールなど、構造化されにくい情報を警察記録の文章から抽出しています。
英語原文: “492,393 police-attended domestic violence event narratives”
日本語訳: 警察が対応した492,393件の家庭内の「暴力」記録
この研究では、関係者に記録された精神疾患の中に、アルコール乱用、双極性障害、うつ病、統合失調症が含まれていました。家庭内の「暴力」の現場で精神疾患が記録されるということは、家庭の危機をただの性格や道徳の問題で処理してはいけないということです。医療、福祉、警察、家族が情報をつなぐ必要があります。
英語原文: “bipolar disorder”
日本語訳: 双極性障害
双極性障害の「暴言」や「暴力」が問題になる家庭では、家族だけが抱え込み、憎しみと恐怖の中で孤立しがちです。しかし、記録を取り、客観的な情報として扱えば、医療につながりやすくなります。いつ眠れなくなったか、どんな言葉が出たか、物に当たったか、被害があったかを整理することは、「症状」を見える化する作業です。
英語原文: “mental illness”
日本語訳: 精神疾患
この論文は、家庭内の「暴力」には公衆衛生としての対応が必要であることを示しています。双極性障害のある家庭でも、「暴言」や「暴力」を性格として憎み続けるだけではなく、病気の「症状」として記録し、専門機関につなげることが、家庭を守る第一歩になります。
【最後に】
双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

