国名(英語):United States
国名(日本語):米国
論文名(英語):Medication status is associated with metabotropic glutamate receptor 5 availability in bipolar disorder
論文名(日本語):双極性障害における代謝型グルタミン酸受容体5の利用可能性と服薬状態
大学名・研究機関名(英語):Yale School of Medicine; UT Southwestern Medical Center; Yale University; VA Connecticut Healthcare System
大学名・研究機関名(日本語):イェール大学医学部、テキサス大学サウスウェスタン医療センター、イェール大学、コネチカット退役軍人医療機関
発表年(英語):2026
発表年(日本語):2026年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42055136/
本文
この2026年のイェール大学を中心とする論文は、双極性障害を神経化学の視点から調べています。対象となるのは代謝型グルタミン酸受容体5、mGlu5です。双極性障害では、感情の高まり、認知機能、衝動性、自殺リスクなどが問題になりますが、この研究はそれらを脳内物質と関連づけて見ています。
家庭で「暴言」や「暴力」が起きると、家族はどうしても「本当はこういう人だったのか」と感じます。しかし、双極性障害の研究では、前頭前野、扁桃体、海馬、グルタミン酸系、認知機能、注意の問題が調べられています。つまり、感情と行動は脳内ネットワークと神経伝達の影響を受ける「症状」です。
英語原文: “affective and cognitive symptoms, impulsivity”
日本語訳: 「感情・認知の「症状」と衝動性」
この研究では、PETという画像検査を用いて、腹内側前頭前野、眼窩前頭皮質、背外側前頭前野、扁桃体、海馬などのmGlu5を測定しました。これらの領域は、感情の調整、衝動の制御、判断、記憶、社会的反応に関わります。家庭で起きる怒りの爆発も、こうした領域の働きと無関係ではありません。
結果として、服薬していない双極性障害群では、服薬中の双極性障害群や健康対照群に比べて、複数の脳領域でmGlu5が低いことが示されました。また、眼窩前頭皮質のmGlu5低下は実行機能の低下と関連し、服薬していない双極性障害群では注意の困難とも関連していました。ここでも、問題は「性格」ではなく、脳内の調整機構です。
眼窩前頭皮質は、衝動を止める、相手の反応を読む、報酬と罰を判断する、社会的に適切な行動を選ぶことに関わります。この領域の機能が不安定になると、相手の言葉に過剰反応したり、後先を考えずに言葉を投げつけたりすることがあります。それが家庭では「暴言」となり、場合によっては「暴力」に近づきます。
この論文で重要なのは、服薬状態とmGlu5の違いが関連していた点です。薬物療法は、単に症状を表面上抑えるものではありません。脳内の神経伝達やネットワークの働きに影響し、感情、注意、衝動性を整える可能性があります。だからこそ、自己判断で服薬を中断すると、家庭で見える「症状」が急に悪化することがあります。
英語原文: “metabotropic glutamate receptor subtype 5”
日本語訳: 「代謝型グルタミン酸受容体5」
双極性障害の「暴言」や「暴力」を本人の「性格」と決めつけると、服薬の意味が見えなくなります。しかし脳内受容体、前頭辺縁系、認知機能、衝動性の問題として見ると、治療継続の重要性が明確になります。家族が「薬を飲んでいるか」「眠れているか」「注意散漫や怒りが増えていないか」を見守ることには医学的な意味があります。
この研究は、グルタミン酸系を将来の治療標的としてさらに検討する必要性も示しています。双極性障害の治療は、気分安定薬だけでなく、神経化学、認知機能、睡眠、炎症、ミトコンドリア、脳内ネットワークの研究とともに発展しています。社会の理解も、それに合わせて変わるべきです。
家族の理解とは、「何をされても我慢する」という意味ではありません。危険を避けながら、起きていることを病気の「症状」として記録し、主治医に伝え、再発予防につなげることです。「暴言」や「暴力」が出た時ほど、脳の病気としての理解が必要になります。
英語原文: “potential therapeutic targets”
日本語訳: 「治療標的となる可能性」
イェール大学などの研究が示すように、双極性障害は神経化学的にも研究が進む病気です。怒り、衝動性、注意の乱れ、認知の崩れは、本人の「性格」だけで説明できません。「暴言」や「暴力」を病気の「症状」として捉え、治療継続と家族協力につなげることが、本人と家族の未来を守ります。
【最後に】
双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に別の「暴力」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

