2026-05

錯乱躁状態と急性の攻撃的行動:脳画像異常まで示した2025年トルコ症例報告

錯乱躁状態と急性の攻撃的行動:脳画像異常まで示した2025年トルコ症例報告

論文名(英語):Delirious Mania with Mild Encephalitis and a Reversible Splenial Lesion Successfully Treated with Electroconvulsive Therapy
論文名(日本語):軽症脳炎と可逆性脳梁膨大部病変を伴う錯乱躁状態が電気けいれん療法で改善した症例報告
大学名・研究機関名(英語):Ege University School of Medicine
大学名・研究機関名(日本語):エーゲ大学医学部
論文の年(英語):2025
論文の年(日本語):2025年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42036751/

この症例報告は、双極性障害のある37歳男性が、急性の攻撃的行動、妄想、まとまりのない発話、自律神経の不安定さを示し、脳MRIで可逆性脳梁膨大部病変が確認されたケースを扱っています。論文では、錯乱躁状態を、躁「症状」、興奮、せん妄、緊張病を伴う重い神経精神医学的状態として説明しています。

英語原文: “acute onset of manic symptoms”
日本語訳: 躁「症状」の急性発症

家庭でこのような急変が起きると、家族は「急に別人になった」「恐ろしい性格が出た」と感じます。けれども、この症例は、攻撃的行動が急性の病的変化の中で現れ、脳画像上の異常や治療反応とも関係していたことを示しています。「暴言」や「暴力」に見える行動が、脳と精神状態の急変として現れることがあるのです。

英語原文: “acute-onset aggressive behavior”
日本語訳: 急性発症の攻撃的行動

治療では通常の薬物治療だけで十分に改善せず、電気けいれん療法が行われ、大きな臨床的改善が報告されています。これは、激しい言動を人格の問題として閉じ込めるのではなく、医療が介入すべき「症状」として扱う重要性を示します。家族だけで説得しようとしても、錯乱や躁状態が強いときには限界があります。

英語原文: “significant clinical improvement”
日本語訳: 大きな臨床的改善

「暴言」や「暴力」が急に出たときは、まず安全確保です。その後、睡眠、発症時期、発話の変化、妄想、興奮、服薬状況を医療者に伝える必要があります。この症例は、急性の攻撃的行動を「性格」ではなく、評価と治療が必要な「症状」として見ることの大切さを強く示しています。

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

産後精神病と双極スペクトラム:急な興奮・易怒性を「症状」として捉える2025年国際論文

産後精神病と双極スペクトラム:急な興奮・易怒性を「症状」として捉える2025年国際論文

論文名(英語):Postpartum Psychosis and Bipolar Disorder: Review of Neurobiology and Expert Consensus Statement on Classification
論文名(日本語):産後精神病と双極性障害:神経生物学レビューと分類に関する専門家合意声明
大学名・研究機関名(英語):Icahn School of Medicine at Mount Sinai; Erasmus University Medical Center; UMass Chan Medical School; National Institute of Mental Health and Neuro Sciences
大学名・研究機関名(日本語):マウントサイナイ医科大学アイカーン医学校、エラスムス大学医療センター、マサチューセッツ大学チャン医学校、国立精神衛生神経科学研究所
論文の年(英語):2025
論文の年(日本語):2025年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41135771/

この国際論文は、産後精神病を、双極性障害と重なる生物学的背景をもつ重い精神疾患として整理しています。産後精神病では、躁状態、混合状態、抑うつ、精神病性の特徴に加え、認知の障害、易怒性、興奮がよくみられるとされています。

英語原文: “irritability, and agitation are also common”
日本語訳: 易怒性と興奮もよくみられる

家族にとって、産後に急に怒りっぽくなる、興奮する、言葉が激しくなる、現実感が不安定になる姿は、「本当の性格が出た」と見えてしまうことがあります。しかし論文は、産後という時期そのものが、内分泌、免疫、神経解剖、生理的変化を伴うため、生物学的基盤を強く示唆すると述べています。これは、「暴言」や「暴力」に近い危機的な行動を、性格ではなく「症状」として見つける視点です。

英語原文: “strongly suggests a biological basis”
日本語訳: 生物学的基盤を強く示唆する

特に双極性障害のある女性は、産後の精神状態の急変に注意が必要です。家族が早く気づき、睡眠を守り、医療につなげることが重要です。怒りや興奮が出たときに、責める言葉を重ねると、本人も家族も追い詰められます。必要なのは、病気の「症状」として見て、早期に専門医へ相談することです。

英語原文: “overlapping with bipolar disorder”
日本語訳: 双極性障害と重なる

この論文は、急な興奮や易怒性を、家庭内の道徳問題だけで終わらせてはいけないことを教えています。「暴言」や「暴力」が見えた場面でも、安全確保の後に、産後や双極スペクトラムの「症状」として医療へつなげることが、本人と家族を守る道になります。

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

毎日の易怒性をスマホで測る:双極性障害の「暴言」を早期に見つける2023年デンマーク論文

毎日の易怒性をスマホで測る:双極性障害の「暴言」を早期に見つける2023年デンマーク論文

論文名(英語):Irritability in Bipolar Disorder and Unipolar Disorder Measured Daily Using Smartphone-Based Data
論文名(日本語):スマートフォンによる日次データで測定した双極性障害とうつ病の易怒性
大学名・研究機関名(英語):Copenhagen Affective Disorder Research Center; Psychiatric Center Copenhagen; University of Copenhagen; Technical University of Denmark
大学名・研究機関名(日本語):コペンハーゲン感情障害研究センター、コペンハーゲン精神科センター、コペンハーゲン大学、デンマーク工科大学
論文の年(英語):2023
論文の年(日本語):2023年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37094823/

このデンマーク論文は、双極性障害の患者316人とうつ病の患者58人が、スマートフォンで毎日記録したデータを分析しています。観察日数は64,129日分に及び、易怒性、気分、活動量、睡眠時間、ストレス、不安、生活の質などが検討されました。

英語原文: “64,129 days with observations”
日本語訳: 64,129日分の観察

易怒性は、家庭では「怒りっぽい」「すぐ責める」「声が荒くなる」「言葉が刺さる」という形で見えます。双極性障害では、それが「暴言」の前段階になることがあります。本人も止めたいのに止まらず、家族は傷つき、「これは性格だ」と考えてしまいます。しかし論文では、易怒性を感情障害の重要な「症状」として扱っています。

英語原文: “increased stress and anxiety level”
日本語訳: ストレスと不安の増加

研究では、易怒性が低い気分、活動量の低下、睡眠時間の短縮、ストレスや不安の増加と関連していました。これは、家庭で「暴言」が増える前に、睡眠やストレスの変化を記録する意味を示しています。睡眠が崩れ、いらだちが増え、言葉が強くなる流れを見つけられれば、家族は早めに受診や相談につなげられます。

英語原文: “symptoms of irritability”
日本語訳: 易怒性の「症状」

「暴言」や「暴力」を性格として憎み続けると、病相の入口を見失います。スマートフォンで毎日記録するという方法は、家族と本人が同じ事実を見ながら治療につなげる助けになります。易怒性を「症状」として記録することは、家庭の傷を減らし、再発を早く止めるための実用的な方法です。

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

親子間の警察対応記録から見る重い精神疾患と家庭内の「暴力」:2022年米国論文

親子間の警察対応記録から見る重い精神疾患と家庭内の「暴力」:2022年米国論文

論文名(英語):Serious Mental Illness and Incidents Between Adult Children and Parents Responded to by Police
論文名(日本語):警察が対応した成人した子と親の間の事件における重い精神疾患
大学名・研究機関名(英語):University of Pittsburgh; University of Pennsylvania
大学名・研究機関名(日本語):ピッツバーグ大学、ペンシルベニア大学
論文の年(英語):2022
論文の年(日本語):2022年(オンライン先行公開:2020年)
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32662365/

この論文は、米国フィラデルフィアで警察が対応した、成人した子どもと親の間の家庭内の「暴力」事件を分析しています。重い精神疾患が示された事案を取り出し、親子間でどのような状況が生じていたのかを調べています。双極性障害だけを切り出した論文ではありませんが、家族内で精神疾患と「暴言」「暴力」が絡む現実を考えるうえで重要な資料です。

英語原文: “acting aggressively toward family members”
日本語訳: 家族に対して攻撃的に行動する

家庭の中では、本人が興奮し、怒鳴り、親や配偶者に強い言葉を向ける場面があります。家族は恐怖を感じ、怒り、拒絶し、やがて互いの関係が壊れていきます。しかし、論文が示すように、精神疾患をもつ本人と家族の事件には、本人の行動や精神疾患に関係する特有の状況が含まれます。これは、「暴言」や「暴力」を単純な性格だけで説明しない視点です。

英語原文: “domestic violence”
日本語訳: 家庭内の「暴力」

双極性障害の躁状態や混合状態では、睡眠が短くなり、考えが止まらず、感情のブレーキが効きにくくなります。家族から見ると、急に人が変わったように見えます。そのとき必要なのは、家族が孤立して抱え込むことではありません。安全を守り、警察や医療、地域支援につなぎ、起きた出来事を「症状」の経過として記録することです。

英語原文: “unique circumstances”
日本語訳: 特有の状況

この論文から学べるのは、家族内の「暴力」は、怒りだけで終わらせると再発対応に結びつかないということです。本人を責め続けるより、病相のサインを早く見つけ、家庭で距離を取るルールを作り、医療者と共有する必要があります。「暴言」や「暴力」を「症状」として扱うことが、家族を守りながら治療へ戻す道になります。

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

家族内で患者が被害者にも加害者にもなる現実:2020年米国論文

家族内で患者が被害者にも加害者にもなる現実:2020年米国論文

論文名(英語):Victimization and Perpetration of Violence Involving Persons With Mood and Other Psychiatric Disorders and Their Relatives
論文名(日本語):気分障害などの精神疾患患者と親族に関わる「暴力」の被害と加害
大学名・研究機関名(英語):University of Pittsburgh; University of Pennsylvania
大学名・研究機関名(日本語):ピッツバーグ大学、ペンシルベニア大学
論文の年(英語):2020
論文の年(日本語):2020年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32041513/

この米国論文は、気分障害を含む精神疾患のある成人523人を対象に、親族との間で起きる「暴力」の被害と加害を調べたものです。診断後に親族から「暴力」を受けた人、逆に親族へ「暴力」を行った人の両方が報告され、過去6か月の出来事も確認されています。

英語原文: “victims of violence”
日本語訳: 「暴力」の被害者

ここで大切なのは、家庭の中で起きる問題を一方向の憎しみだけで見ないことです。双極性障害では、躁状態や混合状態、睡眠の乱れ、強い易怒性、衝動性が「暴言」や「暴力」として表に出ることがあります。一方で、家族側の恐怖、怒り、拒絶、責め続ける言葉も、患者にとって深い傷になります。論文が扱う被害と加害の併発は、家庭が互いに傷つけ合う構造に入る危険を示しています。

英語原文: “committed violence toward reference relatives”
日本語訳: 基準となる親族へ「暴力」を行った

家族の「理解」がないまま、「性格が悪い」「本性だ」と決めつけると、医療につながる前に関係が壊れます。患者本人の「暴言」や「暴力」を許すという意味ではありません。安全を守ったうえで、それを病気の「症状」として医師に伝え、再発時の対応を家族で決めることが重要です。

英語原文: “often co-occurred”
日本語訳: しばしば併発していた

この論文は、家族関係の中で被害と加害が重なり得る現実を示しています。だからこそ、家庭には、憎しみを増やす対応ではなく、記録、相談、治療、距離の取り方、再発サインの共有が必要です。「暴言」や「暴力」を性格として憎み続けるより、「症状」として扱い、医療と家族協力につなげる視点が、家庭崩壊を減らすために欠かせません。

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

躁状態の身体的な「暴力」リスクを臨床マーカーで見つける:2023年中国論文

躁状態の身体的な「暴力」リスクを臨床マーカーで見つける:2023年中国論文

論文名(英語):Clinical Markers of Physical Violence in Patients with Bipolar Disorder in Manic States
論文名(日本語):躁状態にある双極性障害患者の身体的な「暴力」に関する臨床マーカー
大学名・研究機関名(英語):Anhui Medical University; Affiliated Psychological Hospital of Anhui Medical University; Anhui Mental Health Center; Affiliated Hospital of Weifang Medical College
大学名・研究機関名(日本語):安徽医科大学、安徽医科大学附属心理病院、安徽省精神衛生センター、濰坊医学院附属病院
論文の年(英語):2023
論文の年(日本語):2023年
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37250432/

この論文は、躁状態にある双極性障害患者の身体的な「暴力」リスクを、医療現場で早く見つけるための臨床マーカーに注目した研究です。対象は躁状態の双極性障害患者316人で、社会的背景、病相の回数、精神病性の特徴、過去の「暴力」歴、血液検査などを集め、Brøset Violence Checklistで身体的な「暴力」リスクを評価しています。

英語原文: “high risk of physical violence”
日本語訳: 身体的な「暴力」の高リスク

この研究の重要な点は、「暴力」を本人の性格や本性として固定していないことです。論文は、躁状態のなかで身体的な「暴力」リスクが上がる患者を、病相、検査値、過去の経過と結びつけて見ています。これは、家族が目の前で経験する「暴言」や「暴力」を、憎しみだけで処理するのではなく、医師に伝えるべき「症状」として整理する考え方につながります。

英語原文: “316 BD-M participants”
日本語訳: 316人の躁状態の双極性障害参加者

研究では、双極性障害のエピソード回数、尿酸、甲状腺ホルモン、過去の「暴力」歴、単球リンパ球比などがリスクと関係していました。こうした指標は、初診や入院時にも確認しやすいものです。家族にとって大切なのは、「また怒っているだけ」と放置しないことです。睡眠低下、怒り、興奮、声の荒さ、物への反応が重なるときは、早めに医療機関へ伝える必要があります。

英語原文: “timely assessment and treatment”
日本語訳: 適時の評価と治療

「暴言」や「暴力」がある家庭では、安全確保が最優先です。しかし、安全を確保した後に必要なのは、本人を性格で切り捨てることではなく、躁状態の「症状」として医療に接続することです。論文が示す「適時の評価と治療」という視点は、家庭の危機を治療につなげるための実践的な入口になります。

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

2020-2026年 米国大学・米国研究機関が関わる英語論文から、「双極性障害と暴力・攻撃性・衝動的攻撃」に関係する論文抜粋。※著作権の関係で、英語原文は短い引用に限定し、その下に日本語訳と解説を付けています。

米国論文から見る「暴言・暴力」は、本人の「性格」ではなく病気の「症状」

双極性障害における暴言、怒り、攻撃的な行動は、単純に「性格が悪い」「本性が出た」と片づけられるものではありません。もちろん、暴力や脅迫がある場合は安全確保が最優先です。しかし、近年の米国の研究では、双極性障害に関連する攻撃性や衝動性が、気分エピソード、脳回路、過去のトラウマなどと関係することが示されています。

1. Yale School of Medicine / University of Pennsylvania, 2022

論文名:Rethinking “Aggression” and Impulsivity in Bipolar Disorder
大学名:Yale School of Medicine、University of Pennsylvania Perelman School of Medicine
発表年:2022年
出典:PubMed / PMC

英語原文:
“can lead to misconceptions with negative consequences including stigma”

日本語訳:
「スティグマを含む有害な誤解につながりうる」
大学名:イェール大学医学部、ペンシルベニア大学ペレルマン医学部
発表年:2022年

この論文は、双極性障害における「aggression=攻撃性」と「impulsivity=衝動性」を区別して考える必要があるとしています。重要なのは、攻撃性の尺度が必ずしも「他人への暴力」だけを測っているわけではないという点です。怒りの爆発、対人関係の混乱、自己攻撃性、自傷、感情調整の困難なども含まれます。

つまり、双極性障害の患者に見られる怒鳴り声、激しい口論、衝動的な言動を、ただちに「暴力的な人格」と決めつけることは、医学的にも不正確です。この論文では、双極性障害の人では攻撃性・衝動性のスコアが高く、幼少期の虐待、うつ症状、物質使用障害、自殺企図などとも関連していたと報告されています。

さらに、攻撃性スコアは眼窩前頭皮質や島皮質など、感情や社会的行動の調整に関わる脳領域の灰白質体積低下とも関連していました。これは、「暴言や暴力的言動は性格だけの問題ではなく、脳の感情調整ネットワークの問題として理解すべき」という本ジャーナルのテーマと強く一致します。

2. Baylor College of Medicine / University of Texas Health Science Center, 2021

論文名:Cortical Correlates of Impulsive Aggressive Behavior in Pediatric Bipolar Disorder
大学名:Baylor College of Medicine、University of Texas Health Science Center at Houston
発表年:2021年
出典:PubMed / Frontiers

英語原文:
“Impulsive aggression represents a frequent characteristic of pediatric bipolar disorder”

日本語訳:
「衝動的攻撃性は、小児双極性障害にしばしば見られる特徴である」
大学名:ベイラー医科大学、テキサス大学ヒューストン健康科学センター
発表年:2021年

この研究は、小児・青年期の双極性障害における衝動的攻撃性と脳皮質の関連を調べたものです。対象は双極性障害の若者23人と健康対照23人で、攻撃性質問票と3テスラMRIを用いて評価されました。

結果として、双極性障害の若者では「怒り」と「敵意」のスコアが高く、感情ネットワーク、前頭頭頂ネットワーク、帯状弁蓋ネットワークなどに関わる領域で皮質の薄さが見られました。これらは感情処理、注意、実行機能、衝動抑制に関係する領域です。

この研究が示すのは、子どもや若者の怒り・暴言・攻撃性を「しつけ不足」「性格が荒い」とだけ見る危険性です。遺伝子の異常やその他の異常、脳内ネットワーク異常、脳の発達や感情調整機能の問題として理解し、早期治療、家族理解、家族協力などの環境調整につなげることがとても重要です。

3. Duke University / Yale University, 2020

論文名:Gun-Related and Other Violent Crime After Involuntary Commitment and Short-Term Emergency Holds
大学名:Duke University School of Medicine、Duke University、Yale University School of Public Health
発表年:2020年
出典:Duke Scholars / JAAPL

英語原文:
“violence risk in psychiatric patients is not necessarily inherent or persistent”

日本語訳:
「精神疾患患者の暴力リスクは、必ずしも本質的または持続的なものではない」
大学名:デューク大学医学部、デューク大学、イェール大学公衆衛生大学院
発表年:2020年

この論文は、双極性障害、統合失調症スペクトラム障害、大うつ病を含む重い精神疾患の成人77,048人を対象に、銃関連およびその他の暴力犯罪リスクを調べた研究です。双極性障害だけに限定した研究ではありませんが、双極性障害を含む大規模な米国データとして重要です。

この研究の最も大切な点は、暴力リスクを「その人の本質」として固定的に見ないことです。研究者たちは、暴力リスクは病状悪化、危機状態、短期入院、治療アクセス、物質使用、社会的要因などにより変動すると説明しています。

4. UNC / Johns Hopkins / SUNY Stony Brook / Virginia Commonwealth University, 2023

論文名:Developing Empirical Latent Profiles of Impulsive Aggression and Mood in Youths across Three Outpatient Samples
大学名:University of North Carolina at Chapel Hill、Johns Hopkins University、State University of New York at Stony Brook、Virginia Commonwealth University
発表年:2023年
出典:PubMed

英語原文:
“AIR may distinguish a subset of youth”

日本語訳:
「衝動性と反応性を伴う攻撃性は、若者の一部の群を区別する可能性がある」
大学名:ノースカロライナ大学チャペルヒル校、ジョンズ・ホプキンス大学、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校、バージニア・コモンウェルス大学
発表年:2023年

この論文は、衝動的で反応的な攻撃性を、躁症状、抑うつ症状、規則違反、自傷などと合わせて分析した研究です。双極性スペクトラム診断や家族歴を含む若者のデータも扱われています。

この研究から分かるのは、攻撃性は一枚岩ではないということです。躁状態に伴う怒り、ADHDやODDに近い外在化行動、家族葛藤に反応した爆発、自傷に向かう自己攻撃性など、背景は異なります。

だからこそ、暴言や暴力的な行動を見たときに、「性格が悪い」という一語で片づけるのは危険です。医学的には、どの症状群に属するのか、躁状態なのか、混合状態なのか、衝動性なのか、併存症なのか、家庭内ストレスなのかを見分ける必要があります。

まとめ:「暴言・暴力」は「本性」ではなく、評価と治療が必要な「症状」である

米国の近年の論文を総合すると、双極性障害に関連する暴言、怒り、攻撃性、暴力的行動は、単純な性格問題ではありません。脳の感情調整回路、衝動性、躁状態・混合状態、幼少期トラウマ、物質使用、併存症、家族葛藤など、複数の要因が重なって現れる症状として理解する必要があります。

家族が傷ついた場合、安全確保は絶対に必要です。しかし、その後に「この人は悪人だ」「本性だ」と見捨て、離婚や家庭崩壊につながるよりも、家族が理解し、助け合う事で、幸せを築き上げている家族も実際に増えています。それは、順天堂大学や東京大学の研究により、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見され、以前よりも、双極性障害への差別や偏見が減り、医療機関の対応も変わってきている事も要因の一つにあげられています。

必要なのは、
「暴力」を「症状」として理解し、医療機関に相談すること。
そして、家族は、「症状」として「理解」し、助け合って共に治療に寄り添うこと。
自己判断でやめずに治療を継続すること。
家族が「病気」を学び、再発時等の対応方法を身につけること。

双極性障害の「暴言」や「暴力」を「性格」として憎み続ける「差別」から、「症状」として理解し、「治療」と「幸福」につなげる社会へ。これこそが、双極性障害ジャーナルが広めたいテーマなのです。

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

双極性障害は「性格」ではなく、脳内ネットワークの異常としても研究されている

東京大学などの研究グループは、統合失調症、うつ病、双極性障害に関連する 脳内の大規模ネットワーク異常 を明らかにしたと発表しています。研究では、安静時機能的MRIという脳画像データを用いて、複数の精神疾患に共通する脳内ネットワークの結合異常と、それぞれの疾患に特有の異常を調べています。

この研究は、双極性障害を「本人の性格」や「気持ちの問題」として片づけるのではなく、脳の情報処理やネットワークの働きの異常として理解する重要性を示しています。

出典:東京大学|統合失調症、うつ病、双極性障害に関連した脳内ネットワーク異常を発見

症状は脳内ネットワークの変化と関係している

発表では、統合失調症、うつ病、双極性障害に共通する脳内ネットワーク間の異常だけでなく、それぞれの疾患に特有の異常も確認され、それらが精神症状と関連していたとされています。

ここが非常に重要です。
双極性障害の躁状態や混合状態では、怒りっぽさ、衝動性、過活動、判断力の低下、睡眠の減少などが起こることがあります。その結果として、普段なら言わないような暴言、強い攻撃的態度、家族を傷つける言動が出ることがあります。

しかし、こうした言動をすべて「本人の本性」「性格が悪いから」と決めつけてしまうと、病気の本質を見失います。東京大学の研究が示すように、精神症状の背景には、脳内ネットワークの機能異常が関わっている可能性があります。

暴言や暴力を肯定するのではなく、症状として理解する

もちろん、暴言や暴力で家族が傷つくことを軽く見るべきではありません。危険がある場合には、安全確保が最優先です。

しかし、重要なのはその次です。
暴言や暴力的な行動を、ただ「性格」「悪意」「人格」として憎み続けるのではなく、病状悪化のサインとして見て、治療につなげる視点が必要です。

双極性障害は、脳内ネットワーク、感情調整、意思決定、衝動制御などに関わる病気として研究が進んでいます。だからこそ、家族や周囲が「これは本人そのものではなく、病気によって起きている症状かもしれない」と理解することが、患者本人を孤立させない第一歩になります。

この研究から伝えたいこと

双極性障害を含む精神疾患では、脳内の大規模ネットワークの結合異常が精神症状と関係している可能性が示されています。

この事実は、私たちのジャーナルのテーマと深くつながります。

暴言や暴力は、本人の性格だけで説明できるものではありません。
それは、双極性障害という病気の症状として現れている可能性があります。

「性格が悪い人」として切り捨てるのではなく、
「治療が必要な状態にある人」として理解すること。

その理解が、離婚、憎しみ、拒絶、差別を減らしていくための大切な一歩になります。

出典:
東京大学|統合失調症、うつ病、双極性障害に関連した脳内ネットワーク異常を発見
論文:Ishida et al., Schizophrenia Bulletin, 2023, DOI: 10.1093/schbul/sbad022

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

双極性障害は「性格の問題」ではなく、脳と細胞の病気として研究が進んでいる

双極性障害は、本人の気分の持ち方や性格だけで説明できる病気ではありません。順天堂大学の研究紹介では、双極性障害は躁状態とうつ状態をくり返し、社会生活にも大きな影響を及ぼす精神疾患であり、現在も原因解明と治療法の確立に向けた研究が進められているとされています。

この視点は非常に重要です。なぜなら、双極性障害の躁状態では、怒りっぽさ、衝動性、過活動、睡眠の減少、判断力の低下などが起こり、その結果として、普段の本人なら言わないような暴言や、攻撃的な行動が出ることがあるからです。つまり、表に出ている言動だけを見て「性格が悪い」「本性が出た」と決めつけるのではなく、その背景に病気による脳機能の変化がある可能性を理解する必要があります。

出典:順天堂大学 Juntendo Research|ミトコンドリアの異常に着目し双極性障害の病態解明に迫る

ミトコンドリア異常という視点

順天堂大学の記事では、双極性障害の病態解明において、ミトコンドリア機能障害が重要な研究テーマになっていることが紹介されています。ミトコンドリアは、細胞のエネルギーを作る器官です。この機能に異常が起きると、脳を含む全身の働きに影響が出る可能性があります。

加藤忠史教授らの研究では、患者のMRIを用いた代謝物質の解析や死後脳の観察などから、双極性障害の脳内でミトコンドリア機能障害が起きている可能性に注目してきたとされています。また、脳内の「視床室傍核」という部位にミトコンドリア異常が蓄積していることを見出したと紹介されています。

これは、双極性障害を「気合いが足りない」「わがまま」「怒りっぽい性格」といった道徳的な問題として見るのではなく、脳内の特定部位や細胞機能の異常として理解する研究が進んでいることを示しています。

遺伝子異常・ゲノム解析から見える病気の背景

記事では、双極性障害の原因として遺伝的要因が大きいと考えられていることも説明されています。順天堂大学の研究グループは、患者と家族のDNAを用いたエクソーム解析や、体細胞性モザイク変異、ミトコンドリアDNAの変異なども解析しています。

とくに重要なのは、双極性障害が単なる性格傾向ではなく、遺伝子レベル、細胞レベル、脳機能レベルで研究されている疾患だという点です。本人の努力不足や人間性の問題として片づけるには、あまりにも複雑な生物学的背景があります。

このことは、家族や社会が患者を理解するうえで大きな意味を持ちます。暴言や暴力的な言動が出たとき、それを放置してよいわけではありません。しかし、それを「その人の本質」として断罪するだけでは、病気の理解にも治療にもつながりません。

「こころの病」という偏見を超える必要がある

順天堂大学の記事では、双極性障害が“こころの病”という偏見にさらされやすく、人間関係のトラブルから社会生活に困難を抱えることがあると説明されています。

この点は、双極性障害ジャーナルのテーマと深くつながります。躁状態や混合状態で起こる暴言、怒り、衝動的な行動は、家族を傷つけることがあります。しかし、家族や周囲がそれをすべて「性格」「人格」「本性」として受け止めてしまうと、患者は憎まれ、拒絶され、孤立し、治療から遠ざかってしまいます。

必要なのは、暴言や暴力を肯定することではありません。必要なのは、危険を避けながらも、それを病気の悪化サインとして理解し、治療につなげる視点です。

この研究から伝えるべきこと

順天堂大学の記事は、暴言や暴力について直接述べた記事ではありません。しかし、双極性障害がミトコンドリア異常、遺伝的要因、脳内の機能変化、神経回路の異常といった観点から研究されていることを示しています。

だからこそ、このジャーナルでは強調したいのです。

双極性障害の患者が躁状態や病状悪化時に見せる暴言や攻撃的な行動は、単純な性格の問題として切り捨てるべきではありません。それは、脳と身体の病態を背景にした症状である可能性があります。

「性格が悪い人」ではなく、「治療が必要な状態にある人」として見ること。
「憎む対象」ではなく、「支援と治療につなげる対象」として見ること。
この理解が、離婚、拒絶、孤立、差別を少しずつ減らしていく第一歩になります。

出典:順天堂大学 Juntendo Research|ミトコンドリアの異常に着目し双極性障害の病態解明に迫る

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。

双極性障害を「性格の問題」で終わらせないために

暴言や暴力の背景にある“病気の症状”と、家族の理解の重要性

双極性障害は、単なる「気分屋」「わがまま」「怒りっぽい性格」ではありません。躁状態、軽躁状態、うつ状態をくり返す医学的な疾患です。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」でも、双極性障害は躁状態とうつ状態をくり返す病気であり、通常の気分の波とは異なり、家族や周囲が「いつもの本人と違う」と気づくほど行動や社会生活に影響が出ることが説明されています。
出典:こころの情報サイト|双極性障害

とくに大切なのは、躁状態のときに出る暴言、攻撃的な態度、衝動的な行動を、ただちに「本人の本性」「性格の悪さ」と決めつけないことです。厚生労働省の情報でも、躁状態では怒りやすくなり、暴言が出ることがあると説明されています。これは、本人が大切な人を傷つけたいからではなく、病気によって気分、判断力、衝動のコントロール、睡眠、現実感が乱れているために起こることがあります。
出典:厚生労働省|家族、友人として

ただし、「病気の症状だから、何をしても許される」という意味ではありません。家族が傷つくこと、恐怖を感じること、生活が壊れてしまうことは現実です。暴力や危険がある場合は、まず安全確保が最優先です。そのうえで、症状を人格攻撃として責め続けるのではなく、「これは治療が必要な状態だ」と理解し、主治医、精神科救急、地域の相談窓口につなげることが重要です。

躁状態では、気分が高揚するだけでなく、極端に怒りっぽくなる、眠らなくても平気に感じる、話が止まらない、考えが次々に浮かぶ、浪費や性的逸脱、無謀な行動が増えることがあります。NIMHも、双極性障害では気分、エネルギー、活動量、集中力に明らかな変化が起こると説明しています。
出典:NIMH|Bipolar Disorder

このような状態では、本人の内側で「ブレーキ」が効きにくくなります。普段なら言わない言葉を言う、相手を責める、怒鳴る、物に当たる、極端な決断をする。家族から見ると「別人になった」と感じることがあります。攻撃性に関する系統的レビューでも、ほとんどの精神疾患患者が攻撃的なわけではない一方、未治療の重い精神疾患、双極性障害を含む状態では攻撃的行動と関連する場合があるとされています。
出典:Fico et al., 2020|The biology of aggressive behavior in bipolar disorder

近年の研究は、双極性障害が「気の持ちよう」ではなく、生物学的な背景をもつ複雑な疾患であることを示しています。2025年にNatureに掲載された大規模ゲノム研究では、双極性障害の158,036症例と280万人の対照群を解析し、298のゲノム領域が関連すると報告されました。これは、単一の「原因遺伝子」があるという意味ではなく、多数の遺伝要因が少しずつ関与する、非常に複雑な疾患であることを示しています。
出典:Nature|Genomics yields biological and phenotypic insights into bipolar disorder

また、2022年のNature Geneticsでは、全エクソーム解析により、AKAP11という遺伝子が双極性障害および統合失調症のリスクと関連することが報告されました。AKAP11はリチウムの作用仮説とも関係するGSK3Bと相互作用するため、治療研究の面でも注目されています。
出典:Nature Genetics|Exome sequencing in bipolar disorder identifies AKAP11

ミトコンドリア機能の異常も研究されています。ミトコンドリアは細胞のエネルギー産生に関わる器官で、脳の働きや神経細胞の安定にも深く関係します。2023年のレビューでは、双極性障害の病態にミトコンドリア機能障害、酸化ストレス、カルシウム調節、炎症などが関与する可能性が整理されています。
出典:Lam et al., 2023|Mitochondria dysfunction and bipolar disorder

脳内ネットワークの研究も進んでいます。双極性障害では、感情を処理する扁桃体、判断や抑制に関わる前頭前野、注意や実行機能に関わるネットワークなどのつながりに変化がみられることが報告されています。つまり、怒りや衝動は「性格の欠陥」ではなく、感情調整と判断を担う脳ネットワークの不安定さとして理解できる部分があります。
出典:Molecular Psychiatry|Connectomics of bipolar disorder
出典:Brain and Behavior|Altered functional activity in bipolar disorder

しかし、こうした医学的理解が社会に十分広がっているとは言えません。双極性障害の患者や家族は、「危険な人」「一緒に暮らせない人」「自業自得」といった偏見にさらされることがあります。2023年の系統的レビューでは、双極性障害のスティグマは、社会的孤立、治療の遅れ、生活の質の低下、差別、不公平な扱いにつながると報告されています。
出典:International Journal of Bipolar Disorders|Stigma in people living with bipolar disorder and their families

だからこそ、家族の理解は「優しさ」だけの問題ではありません。治療の一部です。NIMHは、薬物療法と併用される心理療法の一つとして家族焦点化療法を紹介しており、対人関係や家族関係が治療上重要であることを示しています。日本うつ病学会の治療ガイドラインでも、維持療法では薬物療法と併用する心理社会的治療として、心理教育、認知行動療法、対人関係・社会リズム療法、家族焦点化療法が挙げられています。
出典:NIMH|Bipolar Disorder
出典:日本うつ病学会治療ガイドラインⅠ.双極性障害 2020

家族ができることは、本人を責め続けることではなく、症状のサインを一緒に見つけることです。睡眠時間が短くなる、口調が強くなる、予定や買い物が急に増える、怒りっぽくなる、服薬をやめたがる、万能感が強くなる。こうした兆候を「また性格が悪くなった」と見るのではなく、「再発のサインかもしれない」と見て、早めに受診へつなげることが大切です。

本人に必要なのは、罪悪感で自分をつぶすことではなく、治療につながり続けることです。双極性障害は長く付き合う病気ですが、治療を継続することで症状を管理し、安定した生活を送ることは可能です。薬を勝手にやめないこと、睡眠を守ること、アルコールや薬物を避けること、家族と再発時の対応をあらかじめ決めておくことが、本人と家族の両方を守ります。
出典:NIMH|Bipolar Disorder

双極性障害の暴言や暴力的な言動は、本人のすべてを表すものではありません。それは、病気が悪化したときに現れる症状であり、治療と支援が必要なサインです。家族が傷ついた事実を否定する必要はありません。しかし、本人を「悪い人」と決めつけて切り捨てるだけでは、病気は見えなくなり、治療の機会も失われます。

双極性障害に必要なのは、甘やかしではありません。差別でもありません。必要なのは、医学的理解、安全確保、継続治療、そして家族と本人が同じ方向を向くための協力です。暴言や暴力を「性格」として憎み続ける社会から、「症状」として理解し、治療につなげる社会へ。その変化が、患者本人だけでなく、家族をも救う第一歩になります。

【最後に】

双極性障害という精神疾患は、近年やっと、遺伝子の異常や脳内ネットワーク異常等が発見されたばかりの、未だに誤解や偏見、差別が根強い「病気」です。家族の「理解」が最も重要であり、家族は、「暴言」や「暴力」への「憎しみ」は時に「憎しみの『暴力』」にもなり、お互いを傷つけたり、お互いが「不幸」になるなどして、「離婚」や「家庭崩壊」へと繋がるケースがある一方で、「家族の理解と協力」によって「幸福」を取り戻す家族もあります。お子さんがいるご家庭では、なおさら、離婚や家庭崩壊の道を「憎しみ」と共に選択するよりも、双極性障害という「病気」や「症状」を正しく「理解」することによって「幸福」を取り戻す道が、お子さんの将来への影響にとっても、家族の「幸福」にとっても、最善の選択といえるでしょう。本「双極性障害ジャーナル」では、1組でもそういった家族の「幸福」を願い、また、「離婚」や「家庭崩壊」を減らすために記事公開活動や、睡眠リズムチェックシートシステムなどの独自SaaSシステムの開発等に取り組んでおります。